【安倍首相の持病でもある】潰瘍性大腸炎持ちの生活を、軽症患者が語ります【ステーキが食べれるのはなぜ?】
こんにちは、普段はフリーライター兼ブロガーをしています、インドア海洋生物エイです。
とうとう潰瘍性大腸炎の内視鏡検査が来週に迫ってきて、心臓がバクバクです。
※結局、経過良好でした
- 潰瘍性大腸炎って最近よく聞くけど……
- 潰瘍性大腸炎のナゾ1 どこに何が起こっている、どんな病気なの?
- 潰瘍性大腸炎のナゾ2 治療法は? 安倍首相は再発したの、治ってなかったの?
- 潰瘍性大腸炎のナゾ3 どんな生活になるの? ステーキを食べてた会食場面の真相
- 結局潰瘍性大腸炎って、病気自体は軽いの? 重いの?
- まとめ:そうはいっても、楽しくのんびり生きることもできるよ
潰瘍性大腸炎って最近よく聞くけど……
この「潰瘍性大腸炎」という言葉、聞き覚え、ありますよね。
2020年に辞任を表明した、我が国の内閣総理大臣、安倍首相の持病がこの「潰瘍性大腸炎」なんです。
「大腸炎」と言うのだから、「大腸に病気を抱えている」ということは、なんとなく字面で想像できると思います。
だけど、こんな風に思った方も、いらっしゃるんじゃないでしょうか。
「持病を持っていて、職務に影響はなかったの?」
「ずっと同じ病気だったのに、なんで今更病気が理由で辞めるの?」
「安倍首相、会食でステーキ食べてなかった?」
ネットをみていると、潰瘍性大腸炎に関心が集まる一方、様々な憶測が飛んでいるのを見かけます。
職務を続けられるような持病なら、大したことないんじゃないか、と思う人がいる一方、いいや、実はすごく重い病気なんだ、と言う人もいます。
実は潰瘍性大腸炎は、進行の程度によって、症状にかなりのバラつきがあるんです。
今回は、現在進行形で潰瘍性大腸炎の私エイが、実体験を元に「潰瘍性大腸炎」を紹介します。
少しでも参考になれば幸いです。
潰瘍性大腸炎のナゾ1 どこに何が起こっている、どんな病気なの?
潰瘍性大腸炎は、大腸がただれる病気
潰瘍性大腸炎とは、その名の通り、大腸に潰瘍ができて、炎症を起こす、という病気です。
ひらたく言うと、大腸の壁がただれてしまうんです。
内視鏡で実際に大腸の中をみてみると、明らかに腸壁が腫れ上がって、血が滲んでいるのを確認できます。
壁が腫れ上がっている状態なので、大腸から出た血が便に混ざったりします。
逆に便秘になったり、ガスがお腹にたまりやすくなったりして、腹痛を起こすこともあります。
とある患者、エイの場合〜発病〜
私の場合は、お腹が張ってきて、トイレに行くけど出ない、という状態が続いていました。
あるとき、腹痛が耐えられないくらいにひどくなりました。
体がお腹にたまった何かを出そうとしているのか、猛烈な吐き気と便意に襲われました。
だけど、やっぱり何もでません。
脂汗を流して病院へいくと、検査の結果、大腸がぐるっとほぼ全てただれていることがわかりました。
中程度の潰瘍性大腸炎です(重度ではなかったので、自宅療養でした)。
その後、薬を飲むことで、症状は落ち着きました。
もしあの吐き気と便意の中、安倍首相のように選挙活動やら会議やらに参加しろって言われたら……怖すぎて無理ですね。
潰瘍性大腸炎のナゾ2 治療法は? 安倍首相は再発したの、治ってなかったの?
潰瘍性大腸炎は難病=一生治らない!?
潰瘍性大腸炎は、実は「指定難病」というものに登録されている病気です。
指定難病とは「原因不明で、治療法も確立されていない病気」のことです。
潰瘍性大腸炎も「ストレスが原因ではないか」という説がある程度で、原因不明です。
確立された治療法もありません。
場合によっては、一生治らない病気なんです。
つまり、安倍首相は潰瘍性大腸炎と戦いながら政治活動を続けていた、ということになります。
再発した、というよりも、悪化した、という言い方が正しいかもしれません。
政治家の重荷やストレスを背負いながら、潰瘍性大腸炎に耐える……さすがの精神力、としか言わざるを得ません。
とある患者エイの場合〜治療〜
私の場合、潰瘍性大腸炎の治療として、ある薬を服用するように言われました。
それが、リアルダ錠1200という錠剤です。
冷蔵庫に保存しなければならない、という、ちょっと変わった薬でした。
色は赤茶色の錠剤……なのですが、とんでもなく大きい。
親指の第一関節分くらいはあります。
一粒飲み込むごとに、水を口いっぱい含まないといけないような大きさです。
これを朝に4粒飲んでいます。
あくまでも炎症を抑えるための薬で、腸壁に軟膏を塗り込むような具合に効くものなのだそうです。
この薬で完治の可能性は、かなり低いです。
潰瘍性大腸炎のナゾ3 どんな生活になるの? ステーキを食べてた会食場面の真相
自由になれる「寛解期」、ただし「完治」ではない
先ほど、潰瘍性大腸炎は治らない、と言いましたが、代わりに「症状が安定する状態」というのが存在します。
それが、「寛解期」というものです。
症状が安定した状態になるので、食事制限をある程度解除してもよい状態となります。
安倍首相が会食でステーキを食べている場面があったのは、この「寛解期」に入られていたおかげだと思います。
ただし、治ったわけではありません。
とある患者エイの場合〜食事〜
ちなみに私は、2020年9月現在、寛解期には入っていません。
まだ治療段階なので、以下の食事は許されていません。
・生クリームたっぷりのクレープ
・スパイスたっぷり激辛カレー
・飲み会で揚げ物パーティー
元々辛いものもスイーツも大好きな私には、かなり辛い。
だけど、ここで気を抜くと、症状が悪化する……涙を飲んで、我慢している今日この頃です。
一方で、症状の安定にともない、制限付きで食べてもいい、となったものもあります。
・きのこ、海藻、根菜類などの消化がよくない食材(少なめに)
・甘口カレーや、辛みがないカレー(辛いのは味見程度ならよし)
・月数回程度の揚げ物(ただし少なめ、衣が少ないところならよし)
・アイスクリームなど冷たいもの(ただしよく溶かしながら食べること)
とはいえ、友人と外食に行くのには気を遣うレベルです。
まだまだ食事に不自由さを感じます。
結局潰瘍性大腸炎って、病気自体は軽いの? 重いの?
潰瘍性大腸炎は、一生治らない、つまり一種の体質のような病気です。
症状が軽い状態まで回復できれば、そのまま生活することができます。
しかし、軽い病気とは言い難い特徴があります。
重症化すると、入院、手術……
ただし、潰瘍性大腸炎にかかっている患者さんの中には、もっと重症化するケースもあります。
入院して病院での生活を余儀なくされる場合も、少なくありません。
しかも、入院期間は数ヶ月以上におよぶことも、珍しくないそうです。
症状が一向に回復しない場合、手術が必要になる場合もあります。
同じ潰瘍性大腸炎でも、通院、入院、手術、と振り幅はかなり大きい、と考えた方がいいでしょう。
他の病気は大敵
潰瘍性大腸炎は、自己免疫疾患、と呼ばれるものの一つです。
自己免疫疾患とは、なんらかの異常で、体をウイルスなどから守る免疫機能が、体を攻撃してしまう、という疾患です。
このため、症状によっては、潰瘍性大腸炎でも免疫抑制剤を使う場合があります。
免疫抑制剤は、免疫機能が体を攻撃しないように、抑える薬です。
この薬は、免疫の本来の役割である、「風邪やその他の病気から体を守る」、という力も抑制してしまうことがあります。
もちろん、現在流行中のコロナウイルスも例外ではありません。
コロナ以外でも、他の病気にかかると、潰瘍性大腸炎は大変です。
飲み合わせの関係で、薬が自由に選べなかったり、大腸が吸収できずに薬が効かない場合もあるんです。
私も、他の病気で飲んでいる薬が、潰瘍性大腸炎のせいで吸収されず、効力が発揮されなかったことがあります。
決して軽い病気とはいえないんです。
まとめ:そうはいっても、楽しくのんびり生きることもできるよ
ここまで、潰瘍性大腸炎は軽い病気ではないよ、ということを書いてきました。
なので最後は、私の日常生活を書いて、「症状が軽くなれば、楽しくのんびり生きることもできるよ」ということを言って終わりたいと思います。
とある患者エイの場合〜まとめ・現在〜
私の場合は潰瘍性大腸炎が発病したのは、職場のストレスがきっかけでした。
ついでに適応障害を含めたメンタル系の病気も色々併発、廃人同然でした。
この病気のおかげで、「治療」「休養」という名目の元、堂々と職場を離れることができたのは、これ幸い、と言えるかもしれません。
食事制限はありますが、代わりに当たり前だった食事を、より大事に思えるようになりました。
「ストレスが原因」と言われる病気なのもあって、自分で自分を追い詰めない理由にもなりました。
大変なことに挑戦し続けないといけない、苦手でも頑張らなくちゃいけない、と律していた自分を、自由に解放できるようになってきました。
おかげで今は、本来やりたかった文章を書く、という活動を、思う存分やることができています。
動画制作や、漫画制作など、やりたかったけど我慢していた、いろんなことに、気づけました。
前の職場にいた頃よりも、給料はずっと少ないですし、まだまだ一人で生活するのには届いていませんが、あの頃より、自分も周りも幸福なようです。
潰瘍性大腸炎にかかって、「治らない病気」と絶望したこともありますが、今はかえってよかったのかもしれない、と思える自分もいます。
(そもそも治らないから、受け入れるしかないんですが笑)
場所を選べば出かけられるし、インドア生活がどんどん上手になってきました。
これもいいことですね。
潰瘍性大腸炎は、軽い病気ではありません。
だけど、付き合えない病気ではない、と私は考えています。
この記事が、少しでも多くの人の、理解や支えにつながれば、幸いです。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
エイでした。